眠り王子と夢中の恋。




「あのね、美夜……」

「すみません、もう行きます。ごちそうさまでした」



母の声を遮り、私は立ち上がった。

扉を開けて、外に飛び出す。
ムワッとした空気が私を包み込んだ。



「……っ、」
 


近くの家の窓に姿を映すと、思っていた通り私は誰が見ても分かるほど苦しげな表情をしていた。

一度立ち止まり、ふぅ、とため息をつく。

それから、『無の顔』をつくる。


これからは『学校』だ。
いつもよりももっと、表情を崩さないように注意しなければならない。

私は学校への道を急いだ。