口に出した途端、なぜか違和感のようなものを抱いた。 思わず首を傾げる。 「呼び捨てで大丈夫だ」 コク、と頷く。 「それで、君はなぜここに……」 彼──玲音が言いかけると同時に、どこからか鐘の音が鳴り響いた。 私は思わず顔を上げる。 「色々と聞きたい事があったのだが、そろそろ美夜の時間がきたらしい。またな」 眉を下げる玲音と周りの景色が、だんだん霞んでいった──。