「俺さ、小五で父が、小六で母が亡くなったんだ。
一人ぼっちだった俺のところにやってきたのが幼なじみの美夜だった」

玲音によると目覚めた時に記憶が戻ったんだとか。

「明るくて優しい美夜にいつも助けられてて、気がついたら惹かれてたんだ」

……あ。
いつか、玲音に好きな人はいるか聞いた時に「いる……と思う」と言ったのは。

「夢の世界でたまに俺の好きな人と思われる明るい女の子が頭に浮かんでいたんだが、あれは美夜だったんだな」

そうだ、事故の前はずっと明るかったんだ。

「それで、俺と美夜は互いの家を行き来するほどの仲になって、どんどん美夜を好きになった。
『一生かけて守り抜きたい』『ずっと側にいたい』って思うほどに」

ああ、やっぱりそうだ。

私たちはお互いに好き合っていたんだ。