重たい瞼を開く。

目の前には愛しい彼女の顔。

唇に少し温もりが残っている。

……口づけをしたのだろうか?

キスで目が覚めるなんて、そんなおとぎ話のようなことが起こるのか。

ゆっくりと目を開く美夜。

「美夜、おはよう」

愛しい人に声をかける。

「おはよう、玲音王子」

愛しい人の声が聞こえる。

そして笑い合う──。

スッと、彼女の綺麗な頬に透明な涙がこぼれていく。

俺は手を伸ばし、その頬に触れる。

すると何か、頭に入り込んでくる感覚に陥った。