眠り王子と夢中の恋。

「ごめんなさい、思い出してはいないのですが……」

あの日から起こった出来事を全て、母と兄と璃來さんに話した。

「そんな……全然信じられないけど、玲音と夢の中で会ってたってことなんだ」

「お願いです、どうか本当のことを教えてほしいんです」

すると、少し躊躇った後母が口を開いた。

「もう隠しても無駄よね、伊織」

「うん、今が伝える時なんだろうな」

「そうね……美夜、落ち着いて聞いてね。
美夜と玲音くんは、幼なじみだったの──」