眠り王子と夢中の恋。

『如月璃來』さん……もし予想が合っているならば。

このほんわかした空気を壊すことに
心の中で謝ってから、私は意を決して口を開いた。

デート中に割り込み、しかもこんな話をするなんて本当に申し訳なさすぎるけれど。

でも、今聞かないとチャンスを失ってしまうように思えた。

「……璃來さん、聞きたいことがあります」

「うん?」

「璃來さんはやっぱり……玲音のお姉さんなんですか?」

玲音。

その単語を出した途端、その場の空気が固まった。

沈黙の時間が、とても長く感じた。

三人の表情が、一瞬にして消え去った。