眠り王子と夢中の恋。

目覚めると、今日も夢界に行けなかったことに気づく。

でももう慣れ始めている自分がいて、そのことにショックを受ける。

「あっ、おはよぉ美夜ちゃん。
ハッピーバースデー!」

「まだはやいよ璃來」

「……ふふっ、ありがとうございます、璃來さん」

今日は璃來さんが『お家デート』をする日だ。

って、私は何をしたらいいのだろうか。
……というか、完全にいらない存在なのでは⁉︎

ここがデート場所になるのなら、私と母は家から放り出されてしまうんじゃ……。

不安になり兄に聞く。

「あの、私は邪魔者、だよね……?
どこかに散った方がいいと思ってきたんだけど」

「あははっ、そんな心配しなくても大丈夫だよ。逆に美夜たちがいた方が自然にできるしさ」