これは、海だろうか──
白波が打ち寄せる浜辺を見ている。

下の方には砂浜に降りる階段が薄く見える。

妙に既視感があるのだけれど、なぜだかは分からない。

かと思えば急に視界が横に旋回し、酔いそうになる。


視界に映ったのは、真っ青な空を背景に微笑している横顔。

男性だろうか?短めの髪が揺れている。

所々ぼやけていて、目元などは分からない。

じっと見ていると、こちらを振り向いた。



『──』



口の動きから何かを言ったのが分かる。
そして、微笑んだ…。



『──!』



突然、何かが突っ込んできて。
弾き飛ばされた瞬間、意識が飛んで──。