眠り王子と夢中の恋。

「おっはよー美夜!」

「わっ、小春……おはようございます」

朝、学校までの道でまるで何もなかったかのように声をかけてきた。

でも今はありがたい。

学校まであんなに呆けていると、周りに迷惑がかかってしまうし。

「それにしても寒くなってきたわね〜」

身震いする小春。

首元のマフラーが風に吹かれ、ユラユラと揺れる。

気がつけば12月に入り、そろそろ冬期休暇が近づいてきた。

「小春が履いているのは……ブーツですか?」

「そうそう!うちの学校校則緩めで嬉しいわ」