「朝霧くん?なんて言っ、」

「ごめん鈴崎さん、今だけ許してほしい」

そう言うと、手を広げて私を包み込んだ。

「⁉︎⁉︎⁉︎」

思考回路ショート寸前。
ちょっ、まっ、抱きしめられてる……!

いや、前に玲音に抱きしめられたことはあるけど、決して慣れているわけではないから……!

あ……でもやっぱり、
この温もりと安心感は玲音に似てるな。

「俺が敵わないって言うのは分かった。
今度こそちゃんと応援するから……幸せになってね。
ま、俺にもチャンスがきた時は容赦しないけど」

朝霧くんはそのまま少しそうしていると体を離し、「ありがと」と眉を下げて笑った。