眠り王子と夢中の恋。

「……そっか、その如月玲音って言う人と『夢界』で会っていたんだ」

「ごめんなさい、絶対信じられないかもだけど」

「ううん、信じるよ。確かに驚いたけど、鈴崎さんは嘘なんかつかないって分かってるし」

朗らかに笑う。

「玲音が本当に『如月玲音』だって断言はできない。
でも、そうだったら繋がるところがたくさんあるの」

「うん」

「それに、私……玲音のことが、好きだから」

玲音のことを考えて、思わずフワッと微笑む。

朝霧くんは目を丸くすると、俯いた。

「……俺なんかが勝てるわけねーんだよな」