眠り王子と夢中の恋。

「私の父の会社……」

「父は如月弘志、母は如月夏海。
 二人とも、美夜ちゃんのお母様の後輩だったのよ」

「同じ会社だった俺らの母さんが、社長の父さんと結婚したんだ」

一度に多くの情報が入ってくる。

けれどまさかそんな繋がりがあったとは。

つまり、全員同じ会社に勤めていたんだ。

「でも、父は私が中一の時、会社に行く途中交通事故に遭って亡くなった」

璃來さんが中一の時は、私は小五だ。

ちょうど記憶がないから分からないけれど、きっと父と母は葬式のために忙しかったはずだ。

「父が死んでから一年後、母は私が中二の時に心臓病で父を追うようにして永眠したの」

まさか、立て続けに両親が亡くなってしまうなんて。

私はどんどん虚ろになっていく璃來さんの顔を見ていられなくて、思わず無言で俯く。