眠り王子と夢中の恋。

私はチャンスだと思い、玲音の髪に触れる。
フワッとしていて、でもサラサラしていて。

「ふふっ、犬みたい……可愛い」

思わず口に出す。
 
すると「ん……」と玲音が寝返りを打ち、横向きになった。

私を抱きしめている手はそのままなので、私も一緒にコロンと転がり玲音と向かい合う体勢になる。

じぃっと、玲音の顔を見つめた。
観察するまたとないチャンス!

本当に、玲音はすごく整った顔立ちをしている。

どこか大人っぽい雰囲気を纏っているけれど、さっきみたいに子供っぽいのも可愛い。

もし現実に玲音がいて、もし同じクラスなら。
きっと学校中の注目の的になるんだろうな。

そう思うほど本当に、綺麗。

私は鐘が鳴るまで玲音の寝顔を見続けていた。