はっ、今気づいたけど……

「近いっ」

「え?」

「玲音、あの、近いです……もう少し離れて、」

てっきり、気づいて離れてくれるのかと思った。

「やだ」

でも、玲音はそう言ってむしろくっついてきたのだ。

いつもの優しい玲音はどこに行ったんだろ。

「寂しかったから、しばらくこのままでいさせて」

「……はい」

私は仕方がないので、いつもより激しい心臓の音が聞こえないか不安になりながら身を任せる。

玲音の匂いと温もりに心地よさを感じていると、気づけば横からスースーと寝息が聞こえてきた。

どうしたんだろう、疲れているのかな。