それからいつものように話していると、玲音が突然

「『眠り姫』って言う本読んだんだけど、知ってる?」

と言ったからびっくりした。

「もちろん知ってますけど……えっ、まさか初めてなんですか?『眠り姫』読んだのが?」

からかうと、少しむっとした玲音。

「あのさ……
 眠り姫に口づけをしたら、本当に目が覚めるのか」

「?」

急に何を言い出すんだ。

「いや、現実的に考えてありえなくないか?
 悪い魔女の魔法が口づけで解けるとかさ」