眠り王子と夢中の恋。

「ねぇ、鈴崎さんてどうして朝霧くんだけは話せるの?」

小春が小声で聞いてくるので驚いてしまう。

「え……っ」

「もしかして、好きとか?」

「⁉︎ いや、いえ、その、
 優しいから頼ってしまうだけです」

「へえ?」

咄嗟に答えた。

そう、優しいから……
玲音みたいで、つい頼ってしまうから──。