でも中一の夏、あんたが入院したって聞いたの。
事故に遭ったらしいわね。

退院してから、あんたは人が変わったように表情が消えた。

話しかけても無視されるし、誰?って目で見られるからみんな離れていって。


そんな時、中二の梅雨くらいにあんたの父の会社が倒産したってニュースになって。

それで、いいチャンスだって思ったのよ。

みんなに『鈴崎さんは父が会社経営してたからみんなを見下してる』って嘘のウワサ流してさ。


今では、何してたんだろって思うわよ。
でも今さら嘘でしたなんて言えるわけないじゃない。


……そうね、私怖かったの。
いじめてた癖にいじめられるのが怖いのよ。

戸惑ってる自分もいたの。
これでいいのかってずっと思ってた。

でもいつもの二人は完全にウワサ信じちゃってるし、私に従ってる。

しかもそれをいい事にあんたに色々しすぎちゃった。
自己嫌悪がすごいの。


……威張ってたのは、私の方よね。