「ムカついてたのよ……あんたの父が会社経営してるからって、いつも人気者でさ」
「え、そうだったのですか?」
人気者……?事実を知って驚いてしまう。
「は?とぼけんな!
そうよ、あんたちょっと入院してから別人みたいになったじゃない……っ」
「え」
入院?別人?
何も分からない、頭の中にもやがかかったよう。
「……まさかあんた、ほんとに覚えてないの?」
「はい……すみません、記憶が飛んでいて」
「はぁ、まじっぽいわね。
しょーがないな、説明してやるから感謝しなよね!」
「ありがとうございます……」
まさかの展開に少し戸惑いつつ、小春の話に耳を傾けた。



