雪くんは、まだ足りない。



「あはっ、蘭ちゃん混乱してる。大丈夫?」


「遊馬がちゃんと説明しないからだろ」


「今した」


「いやもっと連れてくる前にしっかりしとけよ」




わたしここに居ちゃいけないんじゃ…?
知らなかったとは言え遊馬くんに連れられて気軽な気持ちで来たわたしなんかが居たら邪魔になるよね。


もう少しふかふかのこのソファに座っていたかったけど…!


わたしはソファーから立ち上がる。


隣に座っていた遊馬くんがわたしの名前を呼んだ。




「蘭ちゃん?」


「帰ります…」


「は?」


「あの…そんな場所だとは思わなくて……帰ります、お邪魔しました…!」