でもその手はわたしに触れる前に、遊馬くんが伸ばした手に掴まれてしまった。
黒髪の人をを睨みつける。
「…気安く触んな」
「わーお、こりゃ本気だ」
黒髪さんは反対の手を上げてまるで降参するようなポーズを取る。
遊馬くんはゆっくり掴んでいた手を離したけど、睨むのをやめなかった。
えっと………この空気どうしたら!?
怖い空気になっちゃってるよ…
「まあまあ!蘭ちゃん怖がってるから、喧嘩するなよ」
「勇、前にも言った名前呼びやめろ」
「はい、すみません」
場の雰囲気を変えようと声を上げた勇くんも遊馬くんの一言で黙ってしまった。


