雪くんは、まだ足りない。


その人は髪の毛全部が青色で染っていた。


返事をする遊馬くんの声のトーンもより低い。
…すごく、かっこいい。




「大丈夫、怖くないから」


「えっと…」


「すみません…怖がらせましたか?」




青髪の人は頭を上げ申し訳なさそうにわたしを見る。


でもよく見ると…目がくりくりですごく優しそう…?
わたしは首を横に振る。




「いえ!そんなことないです!こちらこそ、すみませんっ!」




頭を下げると隣から遊馬くんの笑い声が聞こえた。




「顔上げてくださいっ、総長の大切な人に頭下げられたらどうしていいか…」


「え、え?」


「わー!!蘭ちゃんだ!!」




青髪さんの言ったことの情報を処理する前に、聞き覚えのある声が響く。