雪くんは、まだ足りない。


わたしの言葉に一瞬、空気が凍る。


そして涼乃ちゃんがお腹を抱えて笑い始める。
釣られるように伽耶ちゃん、遊馬くんも笑い出した。


…なんかこの状況…前にもあった気がする…。




「もう…っ、蘭!笑わせないで、あははっ!!」


「涼乃ちゃん笑いすぎだよ!」


「最高すぎるっ!蘭はそのままでいいよほんと」


「あー!もうお腹痛いっ」



笑いすぎて滲んだ涙を拭う涼乃ちゃんは、少し落ち着いたのか席を立つ。


伽耶ちゃんも同じく立ち上がってわたしの頭を撫でる。




「じゃあ、わたし達お邪魔しちゃ悪いから行くね!」


「また来週」


「蘭…週末電話するからまた聞かせてねっ」