雪くんは、まだ足りない。



「で!蘭は遊馬くんのことどう思ってるの?」


「どうって…?」


「好きなの?」


「えっ!?!?」




2人の大真面目な顔がわたしの顔を覗き込む。


す、好き!?
好きってラブじゃなくて、ライクの方…?


友達としてのラブ…?
それとも…恋人、としてってこと?




「わたしは遊馬くんと蘭、お似合いだと思うなー!蘭すっごい可愛いし!」


「熊と囚われたうさぎって感じ」


「伽耶ちゃん…それ、わたし食べられちゃうんじゃ…」


「蘭ちゃんのこと、食べちゃっていいの?」




この場には居ないはずの男の人の声がして顔を上げる。


にこ、と笑う遊馬くんの姿。
…と、廊下には何人もの女子生徒の姿。