雪くんは、まだ足りない。


こういう時ってほんとに時間が早く進む。


お昼休みには涼乃ちゃんの質問攻めに答えてたらあっという間に終わってしまった。
その後の授業だって。


帰りのHRもたった今終わったところ。


スタスタ近寄ってきた涼乃ちゃんはすごく嬉しそうにわたしの前の席の椅子に座る。




「涼乃ちゃんどうかしたの?」


「一緒にお迎え待っとこーと思って」


「い、いいよ!1人で待てるから…」


「蘭をちゃんと遊馬くんに届けるのがわたしの今日の使命なのっ」




どんな使命なのそれ……
まあいっか、1人で待ってるのも寂しいしね。


伽耶ちゃんはわたしの隣の席の椅子に座って3人でおしゃべりを楽しむ。