雪くんは、まだ足りない。


離してもらおうとブンブン振ってみたり、引っ張ってみたりするけど離す気ゼロ。


だからさっき声をかけてみたけど無視!


結局教室まで手を繋いだまま…靴を履き替える時でさえ離してくれませんでした…。




「じゃあ!ここで!!」


「手、離さなきゃだめ?」


「だめ…っ!!!」




少し寂しそうな顔の遊馬くんは仕方なしというようにやっっっっと手を離してくれた。


「放課後ね」そう言って、自分の教室の方へ歩いていく遊馬くんの後ろをわたしを追い越した女子生徒がついて行く。


……疲れた…。


ずーっと見つめられてヒソヒソ話されて…少しだけいつも女子に囲まれてる遊馬くんの気持ちがわかった気がする……。