雪くんは、まだ足りない。


でもあんなかっこいい人がわたしのことなんて好きになってくれるはずないよね。


なんて思っていると。



…バンッ!!



後ろの方で大きな音がした。


生徒会長は話を辞め、わたしを含めた体育館にいる全員が音の方を見た。


どうやら体育館の出入口の扉を強く開けたらしい…。


そこに立っていた人を見て、わたしは息を飲んだ。


長身で上半身より明らかに脚の方が長い…。


肩につくほどの長い髪の毛は銀色で、差し込んだ太陽の光で輝いていた。


生徒会長とはまた違うかっこよさ…。


ネクタイが赤ってことは…1年生?




「こら、遊馬(あすま)!静かに入って来ないか!」


「すみませーん」