雪くんは、まだ足りない。


そう思ったら足が動いた。


真っ暗な公園の中に入ると確かに倒れている男のがいて、その周りには3人の男の人。


苦しそうに胸を押えてうめき声をあげるその人の様子を見てただ事じゃないと思い、持ってきたスマホで救急車を呼ぼうと画面をタップする。




「はーいっ、捕まえた」


「え…きゃっ!!」




倒れていた人が急に起き上がったかと思えば、急に抱きつかれ体勢が崩れる。


わたしはさっきまで倒れていたはずの人の足の間に尻もちをついてしまった。


何が起きてるかわからない…その間に倒れている人に両手を後ろに回され片手でしっかり押さえ付けられる。


顔をすぐ横まで持ってこられ、吐息が耳にあたる。