雪くんは、まだ足りない。


隣の家もわたしの家と同じく2階建てで、赤い屋根がとても可愛いおうち。


…まだわたしが保育園児だった頃、この家にはすごく可愛い女の子が住んでいたことを思い出した。


確か…ゆきちゃん、だったかな。


色白で目の下の涙ぼくろがとっても可愛い子で一緒によく遊んでたなあ…。


でもいつの間にか引っ越しちゃって、それっきり。


…同い年の人とか住んでないのかなあ。


思い出に浸っていると電車の時間が迫っていることに気がついて最寄り駅へと急ぐ。


電車に乗って20分ほど、歩いて10分。


真っ白い大きな校舎が見えてくる。


ここで高校生活…!


ルンルンと今にもスキップしたい気持ちを抑えて昇降口で靴を履き替え、1年C組のクラスへ入る。