雪くんは、まだ足りない。


「また隣に引っ越してきたの」


「…………えええ!!!」




隣って…
この前引越し作業してた赤い屋根の…!?


驚いた顔をしているわたしと腕を組んで、「さ、帰りましょー」と嬉しそうに言うゆきちゃんのお母さんに連れられて歩く道はわたし帰る道。


到着、したのはわたしの家の前。


…ほんとに引越ししてきたんだ。


なんだか信じられなくてポカンとしていると、うちの玄関の扉が開いてお母さんが出てくる。




沙彩(さあや)ちゃん!…蘭も、おかえり!」


「百合ちゃん、そこで蘭ちゃんに会っちゃって!」




女子高生のようにはしゃいで騒ぐ2人。


当時もきゃっきゃっしながらよくお喋りしてたなあ…。