雪くんは、まだ足りない。


急いで校内を駆け抜け、昨日と同じ横断歩道前で息を整える。


よし…今日も逃げてこれた…っ


もしかして今日から毎日しないといけない…?


いやいや、
遊馬くんがわたしに飽きるのが先だよ!


息が整ったところで青になった交差点を渡ろうとした時、LINEの通知音。


ポケットからスマホを出して内容を確認する。




「お母さんだ…」




牛乳買ってきての分の後にハートの絵文字。


買い忘れたのかな…駅前のスーパーに行こー。


OKのスタンプを押して駅に向かい、電車で最寄りの駅まで揺られた後スーパーで牛乳を買ってあとは帰るだけ!


スーパーを出て家の方へ歩いていたら…後ろから手を掴まれた。




「え…」




振り返ると30代くらいの知らない女性。