雪くんは、まだ足りない。


「昨日!あの後、遊馬くん蘭のこと迎えに来たよ!」




え!!?ほんとに来たの!?


一緒に帰ろって言われたから逃げたけど…
実は冗談じゃないのかなって思ってた…。


よかった走って帰って…。




「すっっごい寂しそうな顔してよ!」


「へ、へー…」


「全然興味無さそうだね」


「興味無いというか、遊馬くんのこと知らないし…芸能人とかなの?」


「ええ!!遊馬くんのこと知らないの!」




涼乃ちゃんの大きな声にビクッと肩が跳ねる。


そんな有名人なの?
知らないわたしの方がおかしいのかな。


困った顔のわたしに涼乃ちゃんはキラキラした目をして口を開く。