雪くんは、まだ足りない。


重ねていたお互いの手をぎゅうっと絡めながら言った雪くん。


今までいろんな言葉で、行動で想いを伝えてくれた。
だけど直接的に“好き”と言ってくれたのは初めて。


たった2文字なのにわたしを掴んで離さない。




「蘭ちゃんもでしょ?」


「……」


「頑固だね」




わたしの雪くんへの気持ちはわかりきっている。
言わなくたってきっと雪くんも…。


ちゃんと言いたいのに勇気がない。


少しくらい雪くんのその勇気が欲しい。


好きな人を目の前にしてもドキドキせず、自分の気持ちを真っ直ぐ伝えられる勇気。


そしたら今すぐにでも言えるのに。