雪くんは、まだ足りない。


付けられた跡を撫でていた手は大切なものを扱うように頬を優しく包み込む。


こんなに優しい手を怖いことに使って欲しくないよ…




「危ないこと、して欲しくない」


「危なくない、蘭ちゃんのこと守るだけ」


「わたしが嫌なの…だから話さない、話したら雪くん行っちゃうから」




頬に添えられた手に自分の手を添える。


冷たい手をわたしが温かくしてあげたい。


危ないことはして欲しくない。


わたしも雪くんと一緒で…雪くんがとてもとても大事な人だから。




「俺はどこも行かないよ、蘭ちゃんの傍にいる」


「絶対?」


「絶対。蘭ちゃん以外興味無い、蘭ちゃんだけが好き」