雪くんは、まだ足りない。


部屋がノックされる。


お母さん…?
もう帰ってきたのかな。


わたしはそう思って「なにー?」って扉の方を向きもせず返事をした。


扉の開く音、部屋の中に入ってくる足音。




「お母さんもうドラマ終わったの?早かったね」


「終わってないけど、会いにきた」




そう聞こえた瞬間、後ろから腕が伸びてきてわたしの体に絡みつく。


声と抱きしめる腕の強さで…遊馬くんだって気づく。


久しぶりにこんな近くに遊馬くんが居るから変に意識してしまう…。




「あ、遊馬くん…っ、どうしたの?」


「最近誰かさんがわざと俺のこと避けるからやっと今日話せると思ったのに、その誰かさんは勉強するからって来ないて聞いたから来た」