近くで見れば見るほど綺麗な顔。
肌荒れなど知らない陶器のようにすべすべしている。
毛穴なんて存在しないかのよう。
羨ましすぎる……。
そういえば遊馬くんもこんな綺麗な肌だよね。
色素の薄い瞳がすごく映えるような肌。
銀髪だから儚げにも見える。
「他のこと考えてるとか、余裕だな」
「え……ちょっ、七枷せん」
「うるさい」
顔を寄せられ首元に寄せられたかと思えば、何日か前に経験した感覚がわたしを襲う。
だめだ、と思って七枷先輩の肩を押すと距離を取ってくれた。
熱を持った首に手を当てる。
七枷先輩は口角を上げ、してやったり顔。
「宣戦布告、遊馬に言っといて」
それだけ言うとわたしを置いて生徒会室を出ていく七枷先輩に放心状態なわたしは、授業開始のチャイムを聞いてもその場から動けなかった。


