後ずさるわたしに詰め寄る七枷先輩。
かかとに運んできた紙袋が当たる。
もう後ろには逃げられない。
「ふーん…なのにまだ付き合ってないんだ」
「あのそんなにそれ…大事ですか?」
いつも遊馬くんとの関係ばかり聞いてくる。
七枷先輩にとって大切なことなのかな。
「好きなの、遊馬のこと」
「へっ?」
「…言わなくていいや、今の反応と顔赤いのでわかったから」
そんなにわたし分かりやすい!?
一言しか言ってないのに…!
それでもまだわたしとの距離を少しずつ詰めてくる七枷先輩は俯くことも許してくれない。
頬を包む大きくて温かい手。


