雪くんは、まだ足りない。


そうならそうと言ってくれればいいのに…。


生徒会室の扉を開けて先に七枷先輩が入り、後ろに続いて入る。


綺麗に整理整頓されたそこはさすが生徒会室。
棚の中でさえ種類別に並べられている。




「それ、貸して」


「はい」




持っていた紙袋を七枷先輩に渡す。


棚の名前にさっきまで持っていた荷物を全部並べてわたしの方へ振り返る。




「俺に近づくなって言われてんじゃないの」


「え?……あ、遊馬くんですか?」




返事も頷きもないけどきっとそうだよね。




「言われてるような…言われてないような」


「なんだそれ」


「でも七枷先輩、困ってたから」