雪くんは、まだ足りない。


片手に紙袋をたくさん、反対の手にはダンボールを持っているように見えた。


それにあの黒髪、間違いない。




「え、蘭!どこいくの?」


「先行ってて!」




わたしは走って黒髪の背の高い人の元へ向かう。


近づけば近づくほど間違いないと確信する。




「七枷先輩!」


「……宮近蘭」


「荷物、どこまで持っていくんですか?」


「は?」




何言ってんの、コイツみたいな顔をしている七枷先輩から紙袋3つを奪う。


その瞬間にガクン!と体が傾く。


何この紙袋…!
想像の10倍重たい!!


頑張って持ち上げてみたけど持ち手がくい込んで手が痛すぎる…