雪くんは、まだ足りない。


わたしの名前呼ばれた?


声を出した女の子は教室の前の方の入り口に立っている。
その女の子のすぐ隣に目がいく。




「…!?」




センター分けされた銀色の髪の毛は風に吹かれゆらゆらと揺れ、見とれてしまう。


少し前まですぐ近くで見ていた髪色。
忘れられるはず無かった。




「蘭!遊馬くん来てるよ!やっぱり遊馬くんと」


「隠して…!!」


「えっ!?」




絶対見つかりたくない…!


全校生徒の前であんなことされて…しかも今度は教室まできてなに!?


わたしは涼乃ちゃんと伽耶ちゃんにお願いしたけれど、頭の上に?を浮かべて2人で見つめ合っていた。