雪くんは、まだ足りない。


お母さんの声がリビングから聞こえ、鞄の中に筆箱やクリアファイルなどが入っているか確認して部屋を出た。


リビングに近づくと…炊きたてご飯のいい香り。




「おはよーっ、いい匂い!」


「おはよう。早く食べちゃいなさいよ!」




はーい、とお母さんに返事をしていつも座っているダイニングテーブルの足元に鞄を置く。


炊飯器を開けてご飯をよそって、既にテーブルに並んでいたお味噌汁と焼き鮭の前に座る。




「いただきます」




パクパクと食べ進めるとあっという間にお皿は空っぽ。


もう少し食べたいけどー…太るし我慢っ。


わたしは食器をシンクに持って行って、洗面台へ向かう。