雪くんは、まだ足りない。


名前で呼んで、そう言われてなんで今?とか突然呼べって言われてもとかいろいろ考えてすぐ言えなかったわたしの肩に遊馬くんの顎が乗る。


くすぐったい……っ
背中にぞくぞくっとした感覚が走る。




「と、突然どうしたの…っ」


「全然突然じゃない、ずっと思ってた。勇は最初から名前で呼んでたし」


「それは涼乃ちゃんが呼んでたからで!苗字知らなくて…!」


「天もいつの間にか呼んでるし、今も虎太郎のこと呼んだ」




遊馬くん……怒っていると言うより、不満?
自分だけ苗字呼びなのが嫌ってこと?


なんだか小さな子どもみたい……




「ふふっ…」


「なあに笑ってるの」


「あ…なんか不満に思ってることがすごく小さい子どもみたいで可愛いなーって」