雪くんは、まだ足りない。


ホテルみたいなここはフロアと同じく黒で統一されており、かっこいい印象。




「ここは?」


「俺の部屋、ここに入れるのは歴代赫夜の総長と」




遊馬くんが言いながらわたしを壁に追いやる。




「その女だけ」


「っ!!」




両耳の横に手をつき逃げられないこの状況はまさに、漫画である壁ドン!


ち、近い…!!
遊馬くんの顔を近くで見ることにはいつまで経っても慣れない。


俯こうとする前に遊馬くんに頬に手を添えられ、出来なくなってしまう。




「我慢してるって言ったのにできないとか…ガキかよ」


「あ、遊馬くん…?」


「ね、蘭ちゃん」


「は…はい…っ」


「今から俺のこと、雪って呼んで」


「へ…?…え、あ、あの……ひゃっ!?」