雪くんは、まだ足りない。


怖がらせすぎだよ…。
でも、わたしのために行動してくれたことが嬉しくなってしまう。


わたしだったらまあいいやって無視してしまうところなのに。


遊馬くんの元へと歩み寄って、その大きな手をちょんちょんっとつつく。


振り返った遊馬くんに笑いかける。




「ありがとっ」


「…っ……その顔、反則」




わたしが言った後、パッと顔を背ける遊馬くん。


今なにか言った気がするけどよく聞こえなかった。


なんて言ったの?そう聞く前に手を繋がれて教室へ続く階段の方へ連れていかれる。




「アイツに近づいたらだめだって何回言ったら分かってくれる?」


「え、あ…七枷先輩?さっき話しかけられてちょっと話してただけだよ?」