雪くんは、まだ足りない。


遊馬くんからはいつもいい香りがする。


柑橘系……?
香水かな、大人だなあ。


ほんとに同じ歳だなんて忘れちゃう。




「どうやったらさ、」


「え?」


「蘭ちゃんは俺のことかもじゃなくて、好きになってくれる?」


「なっ!?」




まさか昨日のことを言われるなんて思ってもなかった。


昨日の今日だし、恥ずかしすぎて思い出すのも嫌だ。


ほとんど会話という会話なんてしないまま昨日は別れたから遊馬くん、なんとも思ってないのかななんて思ってたのに……




「早く……好きになってよ」




その言葉と共に抱き締められた腕の力が少しだけ強くなった。


きゅうっと胸を締め付ける遊馬くんの言葉と声にわたしはされるがまま。


結局解放されたのは今日最後の授業が終わる頃だった。