雪くんは、まだ足りない。


ちょっと一旦、離れよう……。
一旦ね、一旦。


ぎゅっと握っていた遊馬くんの制服から手を離して1歩、2歩、と少し後ずさる。


絶対赤くなってる顔を上げる。


見た先には、遊馬くんが腕で顔を隠していた。




「…?あのー…遊馬くん?」




声をかけてみたけど…
ピクリとも動かない遊馬くんの横腹を人差し指でツンとつついてみる。


ピクっと反応があってすぐ視線が重なる。


あれ…




「顔…赤い…?」


「……っ」




遊馬くんの顔が赤い。


わたしと…同じ?




「蘭ちゃんってさ」




聞こえた遊馬くんの声は少しだけ震えている気がした。




「それって無意識でしてんの?」