雪くんは、まだ足りない。



「勇くんはわたしに手振ってくれてるのにっ」


「まあまあ涼乃、落ち着いて」


「遊馬くんだって蘭に振ってるのに!!」


「まあまあ」




不機嫌そうに女子生徒と睨む涼乃ちゃん。


モテる人を好きになるって大変だなあ……
でもわたしも、少しだけ涼乃ちゃんの気持ちわかる。


なんか取られちゃった感じがする。


これも遊馬くんを好きってこと?うーん……


考えていると予鈴が鳴り、わたし達は教室に急いで戻った。










どうしてお昼休みの次の授業ってこんなに眠いんだろ…


首がたまにガクッとなりながら何とか乗り越え残すはあと一限。


次数学だ……
おじいちゃん先生で喋り方もゆっくりだから余計寝ちゃいそう…