「涼乃、いつの間に仲良くなったの」
「えー?この前、廊下ですれ違った時に蘭ちゃんの友達だーって声掛けてくれたの!」
伽耶ちゃんの問いかけに視線は勇くんに向けたまま答える涼乃ちゃん。
ほんとに勇くんのこと好きだなー…
涼乃ちゃんくらい素直になれたらいいのに。
なんて涼乃ちゃんと勇くんを交互に見ていると…
勇くんの隣からひょこっと顔を出したのは遊馬くん。
視線が重なり合う。
ただそれだけなのに昨日のことを思い出して鼓動が速くなる。
そんなわたしとは対照的に昨日のことなど忘れたかのようにすぐに微笑んだ遊馬くんはひょいっとわたしに向かって手を上げる。


