雪くんは、まだ足りない。


この前って……
それってあの七枷先輩にあった日のこと?


遊馬くんが謝ることなんてないのに。


『やりすぎたとか泣かせちゃったとか嫌われたかもとかマジで女々しいくらい。よく総長やってるよな』


天悠くんが言ってた言葉を思い出す。


そんな事ないって言わなきゃ。
遊馬くんが泣かせたなんてそんなこと1ミリもないよって…言わなきゃ。


悲しそうに笑ってるのは、わたしのせい。


口を覆っていた手を離す。




「遊馬くんのせいじゃないよっ」


「ん?」


「泣いてたのもわたしが勝手に泣いてたからで…別に嫌だったからとかじゃなくて、遊馬くんのこと嫌ってなんかないよ!むしろ…」