雪くんは、まだ足りない。



「わたしは遊馬くんの彼女なんかじゃないですっ…わたしが…勝手に遊馬くんのこと想ってるだけ、で…」




あれ、わたし
遊馬くんのこと……想ってるって言った?


なに言って…………




「アンタふざけてる?…まじで調子乗るなっ!!」




顔を歪ませたポニーテールの先輩は右手を振り上げる。


叩かれる…!
絶対痛いやつだ…っ。


逃げたいけど体は抑え込まれてて動けない。


ギュッと目を閉じ……たその時。




…………バンッ!!




背後の扉が耳が痛いほど大きな音を立てた。


部屋にいた全員の視線が扉の方に向く。




「っと……何してんの?」