雪くんは、まだ足りない。


わたしは立ち上がって扉に手をかける……けど、ドアノブは回らない。


か、鍵かかってる……っ。


震える手で鍵を開けようとする前に。




「逃げんじゃねーよっ!」


「…やめて…!」




扉から離れるように両腕をそれぞれ掴まれポニーテールの先輩の前に連れてこらされる。


がっちり掴まれて逃げられない。




「こんなのしたって…遊馬くんは先輩のこと好きになんてならないと思います…っ…好きだって、ちゃんと伝えたらきっと…!」


「アンタが邪魔なの…だってアンタが居たらわたしが遊馬くんの彼女になんてなれない、ずっと……ずっと遊馬くんが好きだったのに、アンタのせいで」